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浮遊系

浮遊系

「えっプランクトン?」と言うなかれ。ここは、かのクリス・ニューバート写真集のような生き物達の宝庫なのです!
クラゲ・サルパの仲間、それらに付く共生(寄生?)エビやイボダイ・エボシダイ科の幼魚をはじめ、
ヒカリボヤに入っているエビ(サガミウキエビ)は触覚が体長の4倍はあって、妖艶そのものです。
1/10000に凝縮された感動がそこにあります。
彼等と目が合うたびに、彼ら(プランクトン)にとって我々は あの鯨のように見えるのかな?と想うと、
チ~トモ寒くない減圧停止(違った、安全停止)なのでありました。

ダイオウイカ子供


ダイオウイカ 10mm TL
( Architeuthis dux )



外套膜と長い腕のプロポーションから
ダイオウイカの子供として間違いないと思います。

監修した「世界で一番美しいイカとタコの図鑑」に
全長約40㎜のダイオウイカの子供の写真があります。
タヒチで撮影されたものですが、
私がダイオウイカと同定しました。
今回の森下さんの子供と形態的な連続性が認められます。
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窪寺 先生:談  国立科学博物館

浮遊系

稚貝(全長3ミリ)海洋無脊椎動物のほとんどは、
幼生のとき浮遊生活を送っています。
写真はその一つ「巻貝の赤ちゃん」です。
この段階では種名まではわからないのですが、
どうやらフジツガイ科(ホラガイの仲間)の浮遊幼生らしい。
やがて時期がくれば、変体して大人になり、
海底生活に移行していって、あのオニヒオデ・イーターで有名な
ホラガイになるのかもしれません。
このフジツガイ科の特徴は、浮遊幼生期が長いことで、
普通の巻貝は数日のところを、本科は数カ月も大洋を漂います。
よって太平洋や大西洋をまたがる程、
分布が広い種もいるそうなのです…。

浮遊系 浮遊系

レプトセファルス(5センチ)レプト…とは、
葉形仔魚のこと(柳の葉にそっくりだから)。
アナゴの仲間は幼生時代こんな姿で浮遊して過ごしています。

写真のものは種名までは不明ですが、
「イワアナゴ科の幼生らしく、
サンゴ礁性のアナゴで個体数は少ない」そうです。
普通、こういっった状態の時は、
沖合の表層を浮遊しているので、
沿岸で発見される個体は、間もなく変体して
海底生活に移行前と考えられます・・・

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シャコ(4センチ)
甲殻類は成体期に底性生活を送るものが多いですが、
幼生期にはプランクトン生活をしています。

呼び名はいろいろありますが、カニやヤドカリの「ゾエア幼生」
と言う言葉は聞いたことがある人もいるでしょう。
シャコの場合は「アリマ幼生」と言いまして、
甲殻類は何度か脱皮を繰り返して成長するのですが、
このアリマ幼生もあと何度か脱皮をすると
シャコの形になって底棲生活に入ります。
すでに尾部にシャコの面影があり、少々わかりずらいですが、
捕脚のハサミにもシャコらしさがあります。

このハサミで小さな浮遊生物を捕食するんでしょうね…。

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オオタルマワシ(1.5センチ)
大洋を浮遊するサルパ・ウミタル・ヒカリボヤなどに
雌が寄生し、幼生を保育する奇習をもつ。
雌はこれらの動物を襲って内部に入りこみ、
やわらい部分を食べて
外皮だけを残すとその内部にとどまって子供を育てる。

しばしば母と子がこのタルに入っているのを見る事ができる。

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フリソデエビ(1ミリ)
ぜんぜん面影ないですが、ふ化したての人気者。

「こいつは食事のマナーが悪いから居場所がバレルんだよね」 

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フリソデウオ(3センチ)
うっかり浮上してしまって人間に見つかってしまう深海魚。
絵本で見るマッコウクジラとダイオウイカの戦いや、
まだ人類が出逢った事のない魚達を、
脅えながら目撃してきたのであろう…。

本個体はフリソデウオ科の稚魚であることは一目瞭然ですが、
種までは同定不可能とのこと。

浮遊系

こいつも1シーズン一つ二つは出逢う。
甲殻類のゾエア/メガロパ変形中途である事は一目瞭然だが、
大きさが2センチ程もある。

甲殻類の権威でも「物体X!もったいなくて解剖できない」
との見解…。

浮遊系

表層 中層 で、メタリックブルーや黄金に光っている
5mmTL、厚さ0.数ミリ。
「あれです」

サフィリナ属のコペポーダ、ちなみにオス個体。
Copepoda(Sapphirina sp.cf.opalina)
コペポーダ=カイアシ類 cf = だと思う。
「ミジンコの仲間。生き物としては大先輩の原生動物。
オスのみ構造色で光る(反射(CDなどのそれ))」

まだまだ不思議がいっぱいの海の底。宇宙に比べれば「海のすぐ底」なのにね...